なまずきん [なまず + ずきん]


なまずきん
株式会社ハレックス[halex.co.jp]の緊急地震速報サービス。

地震の伝わり方にはP波(primary:先に届く縦波・初期微動)とS波(secondary:遅れて届く横波・主要動)があるという話は地学の時間に習ったと思いますが、そのP波とS波の到達時間の差を活かして、地震の主要動による被害を最小限にしようというのが「緊急地震速報」。

具体的には、震源に近い観測点の情報から、震源や地震の規模を推定でき、その情報が気象庁から発信され(2006年8月から提供開始)、その情報を受け取ったソフトウェアなり端末が、警報を発したりスイッチを動かしたりすると。くわしくは下のリンクの気象庁のサイト参照。

で、この「なまずきん」は緊急地震速報をトリガーにPC画面上に警告を表示したり、パトライトを回したりするしくみ。

GIGAZINEさん[gigazine.net]で『「揺れるまであと10秒」というのはどうかと』とおっしゃってますが、やっぱりこういう、単に計算結果だけを表示するアプリケーションというのは面白くなくて(画面をずっと見てなきゃいけないですからね)、ホントに役に立つのは、電車とか、ガスの元栓とか、エレベーターとかを、揺れの一瞬前に自動的に止めるというような場合なんですよね。

今後の開発がどうなっていくかわかりませんが、できれば他のソフトウェアとのインターフェースを公開して、いろんな人が地震きっかけで動き出すいろんなアプリケーションを開発できるようにするといいのではないでしょうか。

ついでに書いておくと、この速報サービス、全国で(例えばインターネット経由で)広く使われるようになると、広域にわたる地震の際、ネットワークの輻輳(混雑)が起こって、ヘタをすると地震が届いてから警報が鳴るみたいな状況がありえます。それを考えるとIPマルチキャストとか、放送電波に乗せて送るとかしたほうが効率的じゃないかという気もします。

と、いうわけで日本語リエゾンとしての評価ですが、地震につきものの「ナマズ」とおなじく防災グッズである「ずきん」の組み合わせ(「防災ずきん」と呼ぶか「防空ずきん」と呼ぶかで世代がわかりますね)で、意味上のつながりが非常にいい。「生頭巾」(←発音的にはこっちだ)または「ナマズ菌」と誤聴される可能性はあるものの、ひらがな表記の「なまずきん」と頭巾をかぶったナマズのマスコットキャラのユーモラスなタッチが相まって、非常にしっくり感の高いリエゾンになってます。秀作です。

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